株式会社おきたま興農舎
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おきたま興農舎からのメッセージ

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「大地を守る会」

「大地を守る会」の米生産会議主催
「大地を守る会」

害虫や雑草を食べてくれるマガモ。
さらに、田んぼの中を泳ぎ回るので、
雑草が生えにくくなります。(期間:6月上旬〜8月上旬)

 北緯三八度線を挟んで、南に吾妻連邦、西に飯豊、朝日の連山、東は奥羽の山々に囲まれた山形県南部に位置する置賜地方は、遠く弥生の時代より農耕の歴史を刻んできた我国有数の純農村地帯である。日本一の多収技術を誇る稲作、西洋梨、サクランボをはじめとし、山梨県勝沼地方に匹敵する葡萄団地、中央市場最高値を保持するりんご等、昼暑く夜涼しい盆地特有の気象条件と長年培われた豊かな土壌、勤勉な農家の技術とが相まって生鮮野菜を含む農産物の宝庫となっている。
 一九七〇年代にはいり顕在化した水俣病を始めとする環境汚染や、食の安全性に対する意識の高まりは、農民の意識変革に多大な影響を与え、各地に食の安全を追及し、なおかつ資本の収奪に対峠する幾多の農民グループの結成をみたのであった。それらグループの活動と経験は、消費者組織の拡大、基盤強化の一助となり、また産直農家の経営を確かに安定化せしめたに違いない。
 しかし、私達の狙いは経済的安定と消費者が満足する農産物の供給の役割を果たすことのみであったのであろうか、答えはノーである。生命を危険にさらす農薬肥料の開発は後をたたず、多くの農家は買ってモラエル程度の生産に満足し、消費者もまたその構造の中に安住して来たのである。安全でも美味でなければ意味がない。産直農家だけが生き残り、周囲の農家が壊滅したのでは、これまた農業のそのものが成り立たない。この国の農の存亡をかけた戦いに、悲愴な決意など持ちはしないけれどまずは参戦する次第である。
<1989年 おきたま興農舎 設立記念式典資料より>