野菜

茎たち菜

 山にまんさくの花、畑の茎たち菜、いずれも雪国の春を告げる色は黄色。秋に種子をまき、20~30㎝程に育った茎たち菜は降り積もる雪の中でじっと葉を落として時を待ちます。やがて日射しが高くなり雪が消えると畑の中で春いちばんに目をさますのです。ハウス栽培や野菜の流通も思う様になかった時代、春の畑の野菜は茎たち菜でした。


■茎たち菜物語

 おひたし、つけもの、煮びたし、いため煮、置賜地方の郷土料理である冷や汁の具等、食卓全部が茎たち菜になることもあります。ほろにがい春の味です。茎たち菜は春の日射しをあびて、四方にどんどん茎を伸ばし黄色の花が咲き、畑は花盛りとなります。そしてようやく食べ飽きた頃、家々のおばあさん達は、茎たち菜をゆでて庭先で干し物をつくりはじめます。もう春の始まりから、何ヶ月も後の冬の食の準備も始めるのです。日向のにおいのする茎たち菜の干し物は茎たちぼしと呼ばれ、ニシンや豆等と一緒に煮て、野菜の少ない冬の雪国の食卓での貴重な一品となります。鉛色の空と閉ざされた雪の中で干し物を食しながら春を待ちわび、春になればまた冬に備える、雪国の人たちの自然と共に生きる営みです。何千年も前、まだこの地方に大きな湖があった頃、初めて人が住んだ、小高い山の裾野では、置賜地方で一番に茎たち菜の花が咲きます。

茎たち菜

おきたまの春は
これなしには語れない
ほろ苦い春の味 茎立菜

安心野菜セット

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